逃げるは恥だが役に立つの「未届の妻」「契約結婚」は現実的にお勧め?

逃げ恥の契約結婚

2016年にヒットした「逃げるは恥だが役に立つ」。

新垣結衣さん演じる森山みくりは星野源さん演じる津崎平匡と事実婚状態になり、役所には「未届の妻」として届出婚を出しました。

そんな事実婚とはどういう状態でどんなメリットがあるのか。

ドラマを元に現実の法を理解し、自らにも「事実婚」という選択肢があるのかどうかを見ていきましょう。

「未届の妻」は住民票上の話。戸籍の話ではない!

早速ですが事実婚を見るうえでは「戸籍上の話」「住民票の上の話」の二つがあります。

ドラマの冒頭の方で、森山みくりちゃんが役所に届出を出してそこに「妻(見届)」と書いているシーンがありましたよね?
あれは事実婚をするうえでの住民票の上での手続きなのです。

なので戸籍上の手続きではありません。
頭の中に「?」が浮かぶ人も多いと思いますがここが重要です。

戸籍上の話に関しては別記事で詳しく触れていますので内縁・事実婚の違いとメリットなどをまとめた記事をご覧いただくとして、この記事では「住民票上の話」をしていきましょう。

世帯主とは

世帯主と筆頭者の違い、理解していますか?

少し法的な仕組みの話になるのでややこしいですが、ここを理解しなくては逃げ恥の関係性は分かりません。

まず理解するべきは「世帯主」と「筆頭者」という2つの違いについて。

この2つの違いを答えられますか?

  • 世帯主・・・住民票上の概念
  • 筆頭者・・・戸籍上の概念

簡単に言うと、世帯というのは住民票の上での話であって戸籍上では関係ありません。
その逆もしかり。
なので「住民票の筆頭者」という言葉は間違いです。

では次に「世帯」と「戸籍」について

  • 世帯・・・同じ住所に住んでいて、生計を同一にしている集団
  • 戸籍・・・一組の夫婦と、その未婚の子供

という前提があり逆に言うとそれを満たしていれば他は関係ありません

つまり「世帯」というのは赤の他人でも同じ世帯に入れます。

なので冒頭のシーンでみくりちゃんが役所に出した届け出によって、みくりちゃんと平匡さんは同じ世帯に入りましたよ!となるのですね。

そこが最大のポイントです。
(ここからは住民票上の「世帯」についてさらに解説をしていきます。
「戸籍」について気になる方は戸籍制度の基本を解説した別記事や戸籍法の条項もご覧ください)

他人が同じ世帯に入る際の2パターン

逃げ恥で言うとみくりちゃんは平匡さんとは法的には赤の他人です。

その状態で平匡さんの世帯に入ったということですね。

他人が他人の世帯に入る際は、その続柄に関して2つのパターンがあり、そのメリットを見比べて本人が選ぶ形になります。
その二つというのが

  • 続柄を「同居人」とするパターン
  • 続柄を「妻(見届)」とするパターン

まだ結婚を具体的には決めていない状態の同棲なのであれば「同居人」とするカップルが多いでしょう。

しかしここで「妻(見届)」とすることで、事実婚状態の男女にとって最大級のメリットを得られます。
そのメリットを見ていきましょう。

同じ世帯に入るメリット

同じ世帯に入ってさらに続柄を「妻(見届)」にすることは、内縁関係(=事実婚)状態であることの証明になります。

それによる最大のメリットとは、同居人となっている人(この場合みくりちゃん)は社会保険の被扶養者になれるということ。

つまりみくりちゃん自身は保険料を払わずに公的保険が受けられます。

当然扶養者には130万円の年収制限があることは変わりませんので、たくさん稼ぎたいという人には不向きな方法です。
しかしそれはその状態で契約結婚をしているみくりちゃんには当てはまらないのです。

それがどれだけ得なのかを理解し、可能ならばみくるちゃんと同じような最強の状態を手にしましょう。

契約結婚のメリット

事実婚の被扶養者と契約結婚は最強の組み合わせ

今回逃げ恥では「給料の発生する契約結婚」という形でしたね。
つまり平匡さんはみくりちゃんに対して給料を払っていることに。

しかしそれは法的な雇用関係ではないため、みくりちゃんはその所得を国に申告していないでしょうし、平匡さんはその支出を従業員への給与(もしくは取引先への支払い)として確定申告していないでしょう。

もしどちらかでもその申告をしてしまえば、みくりちゃんは被扶養者の所得制限によって130万円以上のお金を得ることができなくなってしまうためです。
それに平匡さんからもらうお金のいくらかには所得税がかかってしまいます。

細かいことを言うと、確定申告をしない給与の受け渡し(=とっぱらい)は脱税なので違法ですが、そもそも契約結婚に関する法的な拘束がないためグレーという感じでしょうか。

なのでみくりちゃんは、「いくらでも稼いでいいしずっと被扶養者でいられる」という最強の状態にあるのです。
(※もちろん外でパートを始めた際は130万円の制限はありますが)

ただし逃げ恥の夫婦像を真似したとして、今後その事実上の夫婦関係が発展していって子供が生まれたりという場合は手続きは煩雑になります。
認知という手続きも必要になり、事実婚ではなく役所に届け出を出している法律婚であれば不要ですが、事実婚状態の夫婦間に生まれた子供(婚外子)は男性側が改めて認知をすることとなります。
認知とは何かについてものぞいてみてください。

同じ世帯に入るデメリットは?

世帯主じゃないと住宅手当が受けられないことが多い

安易に同居人の世帯に入るともしあなたの会社が住宅手当を払ってくれる状態だとしてもそれを受け取れないことが多いです。
受取の条件として世帯主であることを前提をしている企業が多いためです。

それは世帯主の意味を考えると筋は通っていて、世帯主ではなく「同居人」という扱いなのであれば自分一人で家賃をすべて負担しているわけではないと見られるので、当然と言えば当然ですね。

住民票を見ると同居人の存在がバレる

住民票にもいくつか種類があってその世帯の一部だけのものを記載したものもあれば、世帯全員の情報を記したものもあります。

あなたが世帯主なのであれば世帯全員の住民票を取得した場合はその同居人の情報も記載されますし、あなたが同居人や未届けの妻という立場なのであれば自分の事項だけを抜粋した住民票であっても「続柄」の欄には「同居人」等の記載が載ります。

住民票の「世帯」豆知識

「同じ世帯」になることはさほどハードルは高くない

同じ場所に住んでいて、そして生活費をセットにして支出しているのであればそれは同じ世帯として届け出を出すことに何ら問題はありません。

つまりその条件さえ整っていれば、

同棲・友達とのルームシェア・仲の良い2家族での共同生活

は全て同じ世帯として届け出ることができます。

同じ住所で二つ以上の世帯があってもよい

「同じ住所には複数の住民票を登録できない」という規則はありません。

つまりあなたの家に友人が転がり込んできて、友人がそこに住民票を移すことも可能です。
そして、生計を同一にしているのであれば同じ世帯に入ることもできますし、そうではなくそれぞれが世帯主となることも可能です。

その場合、その住所には他人の二つの住民票が存在することになりますが、役所はそれを全く問題視しません。

実際ルームシェアとして住人を募集している賃貸ではそのような現象が頻発してます。

筆頭者は一目瞭然だが、世帯主は調べないと不明

実は戸籍謄本を入手しても、筆頭者のところにあえて「筆頭者」という記述はありません。
戸籍謄本の一番上に名前が書いている人がその戸籍の筆頭者ということになります。

しかし「一番上に名前を書いているのは誰だろう?」とわざわざ調べなくても、筆頭者は誰なのかはすぐに分かります。
それはずばり、少なくとも現時点での法規においてはその戸籍に入っている全員は筆頭者の名字を名乗ることになるので、父と母の旧姓が今も変わっていないほうが筆頭者です。

逆に、世帯主というのは各世帯で自由に設定することになるので表面上は不明です。
その世帯全員の記載がある住民票を手に入れると、「続柄」という欄があるのでそこに世帯主なのかどうかが分かります。

逃げ恥婚が現実に!祝!新垣結衣さん・星野源さん結婚

そして最後に逃げ恥を語るときに忘れてはいけないのが逃げ恥が現実になったことですよね!
2021年5月に新垣結衣さんと星野源さんがまさかまさかで現実に結婚することとなりました。

無理やりですが今回のテーマになぞらえて解説するとこれでお二人は同じ戸籍に入ることになりました。
逃げ恥のような契約結婚や事実婚ではなく法律婚だと思いますので星野源さんが筆頭者となる新たな戸籍に、新垣結衣さんが入る形ですよね。

現行の日本の法では戸籍が同じになった人間は筆頭者の名字を名乗ることになっていますので、多くの例のように男性が筆頭者になったのであれば、新垣結衣さんの本名が星野結衣になるということですね。
お二人とも本名で芸能活動をされています。
「新垣結衣」というネームバリューはすさまじいものですがそれが本名が「星野結衣」になったんだと思うと、結婚したんだなあという実感を他人であっても感じてしまいますね。

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