不倫で離婚したら親権は父と母どっち?【浮気と親権の関係】

親権の決定方法と浮気

夫や妻と離婚したい・・・
不倫相手の夫婦に別れてほしい・・・・

子供のいる夫婦の離婚につきまとう親権問題
親権はどのようにして決まるのか。
分かりやすく解説します。

不倫と親権の決定は無関係

【離婚と親権】を考えるうえでの根本的な大原則は「不倫の事実と親権の決定は無関係」ということです。

仮にあなたが不倫をしたせいで離婚をするとなっても、不貞行為と親権の決定には関係がありません。

「自分が不倫をしたから親権がもらえない・・・」
「相手が不倫をしたから親権はこちらのものだ!」
という認識は大きな間違いです。

浮気や不倫は親権の決定に影響するのか


場合によってあなたの不倫の事実を子が理解しており、そのせいで子供との信頼関係が著しく破壊されているという状況においては不倫の事実も考慮されます。
しかしそれは不倫そのものというよりも子供とコミュニケーションが取れていないという結果が問題なのであって、不貞行為そのものの悪質性が議論されることはありません

では親権はどのように決まるのでしょうか。

離婚の流れは主に3段階あってその中で決めていくことになります。
協議離婚、調停、裁判の離婚の流れで進む話し合いにおいて親権も決定すべき事項の一つですが、そこにはいくつかの要素を複合的に判断することになります。

親権は母親にいきやすい

8割のケースで母親が親権を持つ

親権の決定をするときに最優先されるのは子供の教育への悪影響です。

親の離婚により育児・教育環境が悪化してしまうことを何より避けなくてはなりません。

そのため特別な事情が無い限りこれまで中心的に子供の面倒を見てきた親を親権者とすることが多いです。

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実に、全ての離婚紛争においておおよそ82%の事例で母親が親権を得ています
奥さん側の不倫が原因で離婚した場合でも奥さんに親権が認められたというケースは決して珍しくありません。

ただし勘違いしてはいけないのは、母親だから常に有利というわけではありません。
「離婚に至るまでの間に中心的に育児をこなしてきた」という前提があることが絶対条件です。

心身面での疾病を抱えていないかどうか

親権の決定に影響する要素とは

慢性的に体調を崩していたり精神的な病を抱えている状態では満足な育児ができません。
その状態では親として子への責任を果たせるとは認められず、家庭裁判所は健康体である親に親権を認めるケースが多いです。

経済力はそこまで重視されない

働き方改革や女性の社会進出という言葉も聞きなれてきましたが、それでも依然として男性が仕事をして女性が育児や家事をするという家庭が多いはず。

そうなると必然的に男性の方が経済力が高く、離婚後も安定してお金を子供に回すことができるでしょう。

養育補助者とは

しかしそれはそういう役割分担をしているからある意味仕方のないこと。
経済力があるからといって親権を得やすいことにはなりません。

むしろ経済力よりも【養育補助者の存在】の方が重視されます。
養育補助者の存在とは、自分の親(子供から見た祖父や祖母)など育児を手伝ってくれる存在が親族にいるかどうかという意味です。

離婚をして一人の親だけで子供を育てるとなると、どうしても仕事との両立で育児に費やす時間が減ってしまいます。
なのでほぼ全てのケースにおいて養育補助者の存在は重視される傾向にあります。

子供が15歳以上であれば、子供の意思も尊重される

家庭裁判所においては15歳以上の子供に対しては「どちらの親と暮らしたいか」という意思を尋ねています。

しかしながら、子供の意思が必ずしも反映されるわけではありません。
大人としてみなされているわけではないので、その判断が必ずしも合理的なものであるとは扱ってもらえず、あくまで参考意見として受け止められます。

15歳以上の子供と親権の年齢

親権は2種類あります

ここまで親権について説明をしてきましたが、実は親権というのは2種類に分かれます。

ここを理解していないと「親権を得たのに子供を引き取れなかった」ということになりかねません。

親権は

  • 身上監護権(監護権)
  • 財産管理権(狭義の親権)

の2つに分かれます。

その二つをひっくるめて親権と呼ぶのが普通であり、通常は片方の親がその二つの権利をまとめて引き受けます。

しかし両親ともが親権を欲している場合や、それぞれの性格・能力・仕事の事情などによっては身上監護権と財産管理権を分けて2人が分担したほうが良いと判断されるケースも決して珍しいものではありません。

そして厄介なのが身上監護権と財産管理権を2つに分ける場合は財産管理権を親権と呼ぶということです。

親権の種類と監護権、財産管理権

親権を得たのに子供を引き取れないパターンとは

上記で解説したように二つの権利を夫と妻で分けて離婚をする場合、財産管理権を親権と呼び、身上監護権を監護権と呼びます。

もしもあなたがどうしても子供を引き取りたいのであれば親権ではなく監護権を要求しましょう

簡単にその二つの違いを言うと、

  • 財産管理権
    • 子の名義の預金などを管理
    • 子が契約などの法的手続きを取ることを許可権
    • 戸籍の変更の許可権
  • 身上監護権
    • 子を引き取って日常的な育児をする
    • 子の居所を指定する

といった分かれ方をしています。

実はこの二つの違いをあまり分かっていないまま離婚調整が決着してしまうといったとんでもない例も実際に発生しており、「親権を得られてよかった!」と言って家に帰っても実は監護権は相手に渡っていたというケースもあります。

育児をしたいのならば監護権を得ないと意味がありません

ここまで親権の種類や決め方を解説してきましたが、離婚時に決めるべきことは親権だけじゃありませんよね。
財産分与やそもそも慰謝料をどの程度払うのかなども一緒に決めることになります。
離婚と親権は一緒に考えるべきことですがトレードオフ(相反する2つのこと)ではないので、たとえば「慰謝料を多めに払うから親権はこちらに」といった取引の上で行うものではありません。
離婚時に何を決めなくてはいけないのかは、離婚時に決める慰謝料・養育費・財産分与・婚姻費用などをまとめて確認しましょう。

非親権者にも存在する義務と権利

協議の結果親権を得られなかったとしても、非親権者にも果たさなければならない義務と認められた権利があります。

非親権者でも扶養義務は継続

養育費の負担というのは親権を得られなかった場合でも果たさなければいけません。

夫婦間の話し合いでそれは不要だとなったのであれば義務はありませんが、親権はビジネス交渉ではないので「養育費を払わなくていいなら親権はそちらに譲る」というものではありません。

家庭裁判所などの第三者によっていくつかの基準に照らし合わせて決められるため、お金で買ったり譲ったりできるものではありません

養育費の平均額の相場についてはそれをまとめた記事をご覧ください。

子どもの監護権と面会交流権

非親権者でも子供と面会する権利は認められる

先ほど親権の中でも「監護権」がなければ子供を日常的に世話し、育児に携わることができないと解説しました。

しかし監護権が得られなくてもあなたの犯罪行為などが原因で離婚したなどでない限りは、子供への面会をする権利は保証されます。
それを面会交流権と言います。

しかしあなたと会うことが子供の教育上相応しくない・悪影響を与えると判断されている状態なのであれば、面会の権利ははく奪された状態での離婚となってしまいます。

先ほども少し触れましたが、親権の決定をするうえでは「子供の教育に悪影響を与えない」ということを最優先にします。
不倫は民法上の不法行為ではありますが刑法上の犯罪ではないので、”不倫をするような人は子供に悪影響を与える”とは結び付きません。なので不倫と親権は関係ないのです。
ただしこれが刑事上の犯罪やDVを犯したことが理由での離婚となると、未成熟な子供に悪影響を与える可能性があると判断されてしまい、親権どころか面会交流権も与えられなくなります。

その他、親権の細かいルール

親権とは満20歳未満の子に対して発生する概念

夫婦が離婚したときにその子供が既に20歳になっている場合は、親権問題はそもそも発生しません。
離婚時に満20歳に達していなかったとしてもその子供が既に結婚をしている場合は成人として扱われます。 

双方が親権を主張しても、親権者はどちらか一方に決めなくてはならない

仮に円満離婚などで夫婦関係は解消したいけど子育ては二人で行いたいという場合であっても、事実上はそれもできますが、法的な親権者はどちらか一人に決定する必要があります。

双方が拒否しても、どちらかが親権を持たなくてはならない

20歳未満の子がいる場合は親権をどちらも放棄することはできません。
そのお子さんの親権をどちらも手放すということは認められません。
ただし養子縁組を利用すれば結果的にはその親の戸籍から子供が抜けるという形になることはあります。
しかしそれも実の親の意志だけでそれができるわけではないので間違えてはいけません。
詳しくは養子縁組の仕組みや種類を解説したものを見てみてください。

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