相続放棄とは?相続人がいない場合はどうなる?【熟年夫婦の話】

相続放棄の方法とメリット

当サイトではこれまで「相続税の税率や配偶者控除」や「相続人の決め方や配分」をまとめてきました。
そこでも出てきた言葉ですが相続を放棄するという選択肢もありますよね。
他にはそもそも相続人がいない場合もあるでしょう。
そういったケースではどうなるのか、遺産相続の放棄をするメリットなどをまとめてみました。
熟年の夫婦必見の知識です。

相続放棄をするメリット

重要なのは「相続されるのはプラスの財産だけではない」ということです。

借金も相続されます。

なので亡くなった方の財産よりも抱えている借金が多い場合は相続放棄をした方が得なのです。

遺産相続を放棄するケースの9割以上はこういった「負債が多いパターン」ですね。
では残り1割程度は何なのかというと、特定の人だけに財産を継承させた方が諸々得な場合です。
たとえば事業だったり不動産などですよね。
あとは配偶者控除をうまく適用させることで税率を下げられるシチュエーションなのであれば、亡くなった方の配偶者のみに多額を相続してもらうという手もあるでしょう。(そのあたりはさきほどの「相続税と配偶者控除」を見てみてくださいね)

まあほとんどの場合は、借金が多いので相続を拒否する場合に相続放棄をすると覚えて間違いはないです。

相続の限定承認という裏技もあります

じゃあ相続すべき財産がプラスなのかマイナスなのか分からないときはどうすればいいのかと迷いますよね。
そういうときは「相続の限定承認」という特例もあることを覚えておきましょう。

簡単に言うとプラスの財産を超えない範囲でマイナスの財産も相続するというものです。

亡くなった方の遺産をすべて計算した結果はっきりとマイナスになると分かっているのであればそもそも相続を放棄した方がよいです。

しかしプラスになるかマイナスになるか微妙であり、もしプラスになるのであればそれは相続したいと思ったのであればこの限定承認が有効になります。
相続税が心配・・・と思うかもしれませんが相続税には最低でも3000万円の基礎控除があります。
基礎控除とはその金額までは税金がかかりませんよというものですね。
財産がプラスかマイナスか微妙・・・という人の財産がそのあと実は何千万円もあったと発覚するケースは稀でしょうから、限定承認を検討する家庭のほとんどは非課税になるでしょう。
そもそもそういった数千万円の控除枠を飛び越えてしまい相続税を課税することになるケースは全体の8%ほどのようです。
よかったら相続税の税率や控除なども見てみてください。

しかし相続権を持つすべての方の同意がないと行えないものであり、そのうちの1人だけが限定承認をするのではなく全員が限定承認で相続するという制約があるので、あまり使われていないようですね。

ちなみに単純な相続放棄であればほかの相続人の同意を得る必要はなく、あなたの意思で単独で家庭裁判所に申し立てればそれが認められます。

相続放棄の期限と注意点

相続放棄の期限や方法

その方が亡くなって相続権があることを認知してから3か月です。
限定承認を行う場合も同じく3か月です。

その期限内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。
さきほどのように、単独での相続放棄であればご自分の意志で簡単に手続が完了します。

ちなみにその3か月以内に放棄も限定承認もしなかったのであれば、それは亡くなった方の財産のうち法律で定められた配分の遺産をすべて受け継ぐという意思表示となります。
それを単純承認と言いますが、要するに普通の相続ですね。
単純承認をした場合は亡くなった方の財務状況によっては借金を肩代わりすることにもなりますので注意が必要です。

相続は「相続法」という民法で色々な事例の扱い方が取り決められています。
六法全書オンライン参照の相続法の全文もありますが、一般の人の目で見てもあまり理解できませんよね。
けれど理解していないままだと損をしてしまいます。
トラブルを回避する方法をまとめていきます。

相続放棄で家族トラブル!回避する方法

相続放棄は親族間でのトラブルになる可能性があります。

それは亡くなった方に大きな借金がある場合ですね。

亡くなった方の奥様やお子さんはその借金を背負いたくないので当然相続放棄をします。

しかしそのマイナスの遺産はそこで立ち消えになるわけではないのです。

相続人である配偶者や第一順位であるお子さんがそれを放棄したら、当然次は第二順位であるご両親が相続人となります。
なのでもし奥様やお子さんが相続放棄をしたことを故人の両親に伝えずにいると、両親は知らず知らずのうちに借金を背負うことになりかねません。

さきほどまとめたように、相続権があることを知ってから3か月というのが相続放棄の期限です。
それを過ぎると撤回はできません。

何の手続きもしなければそれは単純承認(プラスの財産もマイナスの負債もすべて請け負う)という意思表示なので、もし自分に相続権が移ったとなったらしっかりと遺産状況を調べなくてはいけません。

なのでそういったトラブルを回避するには、放棄するときは次の順位となる相続人にしっかりと連絡をすることですね。
相続放棄は自分ひとりの手続きでできてしまうのでやろうと思えば親族に内緒でできますが、それをしてしまうと大きな迷惑をこうむる方が出るかもしれません。

どういった方が法定相続人になるのかは遺産相続の対象は誰?でくわしくまとめました。
あくまで勝手に相続対象になってしまうのは「法定相続人」であって、それ以外の人は単純承認をうっかりしてしまって負債を背負ってしまった!ということにはなりませんので、ご安心を。

相続人がいない孤独死の場合

相続人が1人もいない場合

全員が相続を放棄したりもともと第一順位~第三順位のすべての方がその息子・娘を含めて存在しない場合はどうなるのでしょうか。

流れとしてはまずは亡くなった方の利害関係者(お金を貸している人や賃貸に住んでいた場合は大家さん)、または検察官が申立てすることで、家庭裁判所が相続財産管理人を探します。
管理人は多くの場合その地域の弁護士が選ばれることが多いようです。

その後その管理人の方が適切に債権者に財産を分配するなどをし、それでも残ったお金がある場合は国庫に納入されます。

ちなみに管理人の方が債権者や相続人を探す際に盲点になるのが、その方が養子として迎えた人間がいる場合です。
その方に昔離婚した家庭があってしかもお子さんもいるのであれば、もちろんその人は相続人になりますがそれは結構見つけやすいです。
(逆に言うと離婚歴は隠しにくいということですね。)
しかし養子に迎えた人がいて、しかもその人がお子さんなどではなく比較的年の近い大人だった場合は周りの人も知らないケースもあるかもしれません。
養子縁組をすることでその人を法定相続人に指定することができて不慮の事故で遺言書のないまま亡くなってしまったとしても財産を分け与えることができるなどの利点があります。
もちろん裏を返せば借金などの負債も単純承認してしまう関係性になったということですが。
養子縁組にも良い面悪い面がありますから、よかったら養子縁組の仕組みやメリットものぞいてみてください。

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